便秘とは、便を十分に排出できない状態を指し、通常は週に3回未満の排便回数や、過度のいきみ、排便時の不快感、残便感などの排便困難を伴います。便秘が悪化すると、お腹の張りや苦しさ、吐き気、食欲の低下を引き起こすことがあります。
便秘に悩む人は一般人口の2〜10%とされ、特に20〜60歳の女性に多く見られます。また、加齢と共に便秘の頻度は増し、80歳以上では男女ともに10%以上が影響を受けています。最新のガイドラインでは、便秘は「器質性便秘」(狭窄性と非狭窄性に分類される)と「機能性便秘」に分けられています。
腸管に基礎疾患が存在することで起こり、重篤かつ緊急を要することもあります。 大腸癌などの腫瘍性病変、腸閉塞、Crohn病に伴う狭窄、周辺臓器の癌などによる腸管の圧迫も原因となります。
腸管の緊張がゆるんでしまい、ぜん動運動が十分行われないため、大腸内に便が長くとどまり、水分が過剰に吸収されて硬くなるタイプです。食生活やストレス、薬の副作用の他、疾患の一症状としてあらわれる事もあります。
便秘の症状を引き起こす疾患には以下のようなものがあります。
便秘の検査方法としては、腹部単純レントゲン検査、腹部超音波検査、大腸カメラなどがあります。腹部単純レントゲン検査では、「腸にガスが溜まっているか」や「便塊の有無」を確認できます。一方、大腸カメラ検査では、大腸の状態や形状を詳細に観察し、病気の有無や器質性便秘の原因を特定することが可能です。
便秘の解消や予防には、食物繊維と水分の十分な摂取が欠かせません。また、軽い運動を日常に取り入れることで、血流や代謝が促進され、腸の動きも活発になります。
薬物療法としては、膨張性下剤、便軟化剤、浸透圧性下剤、腸刺激性下剤が代表的です。そのほか、腸の機能を改善するさまざまな薬による治療法もあります。当院では、患者様一人ひとりに適した処方を行い、再診時にはお話を伺いながら処方の調整を行っています。お悩みや気になることは何でもご相談ください。